
竹林の七賢 (講談社学術文庫)
吉川忠夫
講談社 / 2024-06-13
累計読者数3
平均ハイライト数 4.7件/人
推定読了時間 約1時間26分
star総合評価 34/100
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この本について
仕事でも日常でも、「正しさ」が増えすぎて、どこに自分の判断を置けばいいのか分からなくなる時があります。誰かが決めた道を歩くのは楽だけど、どこかで息苦しさが出てくる。とはいえ、自分の基準だけで生きていいのかと言われると、それはそれで不安が残る。そんな揺れに近いものを、この本の抜粋から感じている人が多い気がします。 漢王朝の崩壊で儒教の権威が落ち、価値観の土台がなくなった魏晋の人びとが、それでもそれぞれのやり方で生きる道を探した、というくだりは、今の「正解のない時代」とよく似ています。さらに、後世の東晋の人たちが「竹林の七賢」に理想を投影し、混乱の時代に自分たちなりの姿勢を探そうとした姿は、歴史の話なのに妙に現実味があります。彼ら自身が名乗ったわけでもなく、時代が勝手に意味づけしていくところも、人間が不安の中で“拠りどころ”を求める行動そのものです。 この本は「七賢は自由人だった」といった単純なイメージを裏返し、彼らが生きた時代の空気や、後世がどう読み替えてきたかまで丁寧に追っています。そのおかげで、自分の中のモヤモヤを「時代が変わるってこういうことか」と少し俯瞰できるようになるし、何を選べばいいか分からない時の“距離の取り方”も掴みやすくなると思います。混沌の中でも静かに自分の態度を探したい人には、とても落ち着く一冊です。
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出版社による紹介
◆◇自由に生きるって、こういうことなんだぜ!◇◆ 儒教の権威が失墜し、政治社会が揺れ動くアナーキーな魏晋時代、自由闊達な思想が炸裂した! 詩を詠み、議論を戦わせ、楽器をかき鳴らし、そして心ゆくまで痛飲し、葛藤を抱えながら己の思想を貫こうとした彼ら。 権力に睨まれ刑死した者あり、敢えて世俗にまみれた者あり、いずれも激烈に生きたその群像を、シャープな筆致で簡明に描ききる! 中国史、中国思想に興味のあるものならば、「竹林の七賢」と彼らがおこなった「清談」というものについて、強い印象がのこっているだろう。 しかしながら、彼らがどのような背景をもつ思想家で、どのような知的交流をしたのか、具体的なことを知っているだろうか? 政治・社会が流動し価値観が変わりゆく時代にあって、それぞれの切実さをもって己の思想を生きた彼らは、いずれも「世俗を離れた、純粋な知的探求者」という一面的な見方ではとうてい捉えきれない思想家たちであった― 彼らの人間くさい生き様と、為した仕事のエッセンスを知る、とてもコンパクトで、楽しい一冊。 【本書「はしがき」より】 七人の人物が「竹林の七賢」という一つのグループにまとめられはしたものの、そのなかにはさまざまのタイプの人間が含まれていて実に個性豊かである。それだけではなく、一人の人間についても、その性向と行動とが一見すると矛盾するかのように思われる場合すらないではない。その点においてもまた、儒教が唯一絶対の価値の源泉であった漢代とは異なって、価値が多様化した魏晋の時代の一つの指標をみとめることができるのだが、「竹林の七賢」の面々は、ある場合には文学作品や哲学論文によって、ある場合にはそのライフ・スタイルによって、それぞれに強烈でしたたかな自己主張を行なったのである。 *本書の原本は、1996年に『風呂で読む 竹林の七賢』として世界思想社より刊行されました。
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