
建設DX2 データドリブンな建設産業に生まれ変わる
木村 駿
日経BP / 2024-08-02
この本について
建設の現場で働いていると、「DXが必要なのは分かっているのに、結局どこから手を付ければいいのか分からない」「技術は出そろってきたはずなのに、現場の実態はあまり変わっていない」というモヤモヤを抱えることが多いと思います。目の前の工程を回すだけで精一杯で、産業全体の変化なんて考える余裕がない…という感覚もよく分かります。 『建設DX2』は、その行き詰まり感に対して、過度に夢を見せるのではなく、現場の温度に合わせて“どこにボトルネックがあるのか”を一つずつ示してくれる本です。例えば、ロボット技術が一気に進んだのに普及が進まない理由が「死の谷」の存在にあること、分科会とレンタル会社の接続など水平展開の仕組みが整っていないことなど、手触りのある説明が続きます。また、IT人材の不足や、慎重さが文化として根付いているがゆえにデジタル移行が進みにくい、といった“空気の壁”まで丁寧に扱っているのが印象的でした。 さらに、この本は「産業としてどこに向かうべきか」も逃げずに描いています。設計・施工・維持管理が個別最適で動いてきた状況から、データを軸に全体最適へ向かうためには、協調と競争をどう組み合わせるか、BIM/CIMデータをどう扱えば実務レベルで意味があるのか、といった現実的な視点が多い。机上の理想論ではなく、今の建設業が本当に変わるための“具体的な距離感”を掴めます。 現場の手触りを失わずにDXを考えたい人、もしくは「結局DXって何を変えるの?」と立ち止まった経験がある人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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