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死はすぐそばに ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ (創元推理文庫)

死はすぐそばに ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ (創元推理文庫)

アンソニー・ホロヴィッツ、山田 蘭

累計読者数7
平均ハイライト数 3件/人
star総合評価 42/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 45%

この本について

仕事で疲れて帰ってきた夜、周りの音にいちいち気持ちを持っていかれたり、隣人とのちょっとした出来事に必要以上に心が揺れたりすることってありませんか。自分の生活は静かに回っているようでいて、実はずっと外側のノイズにかき乱されている感じ。僕もけっこうそのタイプで、余計な想像ばかりしてしまうことがあります。 この『死はすぐそばに』がおもしろいのは、まさにその“生活の音”が物語のいたるところに入り込んでいて、登場人物の感情の揺れとセットで描かれているところです。夜を切り裂く音楽、車のドアの衝撃、鳥のさえずり、部屋に流れるショパン。事件そのものより、むしろそういう日常の断片から人の本音が見えてくる感じがあって、自分の生活にも同じように“物語の手がかり”みたいなものが潜んでいるのかもしれない、とふと視界が変わります。登場人物たちの些細な苛立ちや気まずさが妙に理解できてしまうのも、生活のリアリティが丁寧に書かれているからだと思います。 そして、作中で語られる「詐欺師症候群」のくだりも、人知れず自信のなさを抱えている人には刺さるところかもしれません。完璧じゃない自分をごまかしながら、それでも毎日を続けていく感覚。その不安を「あるある」と受け止めつつ、物語として昇華してくれるのがこのシリーズのやさしいところです。 静かな生活音に心が動いてしまう人、他人の些細な気配に敏感な人ほど、この作品の空気は深く沁みると思います。

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