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愉楽にて (日本経済新聞出版)

愉楽にて (日本経済新聞出版)

林真理子

日経BP / 2018-11-16

累計読者数4
平均ハイライト数 19.8件/人
推定読了時間 約7時間25分
star総合評価 59/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 38%

この本について

仕事でも私生活でも、人の距離感にモヤッとすることってありませんか。相手の一言に妙にざわついたり、場の空気に合わせたつもりが、後からじわじわ後悔したり。私もそういう細かな心の揺れにしょっちゅう振り回されています。 『愉楽にて』を読んでいて感じたのは、人間関係の“裏側に流れているもの”が、妙に生々しく立ち上がってくる感覚でした。登場人物たちの会話や仕草、ちょっとした沈黙の重さまで丁寧に描かれていて、自分の生活にも思い当たる場面がいくつもあるんですよね。例えば「ありがとう」という一言の扱われ方が象徴的で、相手との立場や期待がどう絡むかで、同じ言葉がまったく違う響きを持つ。あの微妙なズレを見せられると、自分もやっているな、と少し苦くなります。 もうひとつ印象に残ったのは、登場人物の“上等な人生”へのこだわりです。欲や見栄や孤独をごまかしながら、何とかバランスを取って生きている姿が、決して特別な人の話に見えません。むしろ、自分たちの日常を極端に拡大しただけのように感じます。だからこそ、彼らの選択の小さなほころびが、自分の生活の盲点を照らしてくれる。 人の機微に敏い人、あるいは他人の思惑に疲れやすい人には特に響くと思います。派手さよりも、静かに刺さる読後感でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

美と恋に生きる名家の男たちは、 書物を愛でるように、女と情を交わし、 自由になるために、女から愛を求める。 東京・京都・シンガポールを舞台に、家柄にも資産にも恵まれた50代の男たちが、甘美な情事を重ねていく、その果てに―― 日経朝刊連載時から話題沸騰! 絢爛たる贅沢な官能美の世界を描く傑作長編 大手医薬品メーカー九代目、久坂隆之は53歳。副会長という役職と途方もない額の資産を与えられた素性正しい大金持ちで、シンガポールと東京を行き来し、偏愛する古今東西の書物を愛でるように女と情事を重ねる。スタンフォード留学中に知り合った友人、田口靖彦は老舗製糖会社の三男。子会社社長という飼い殺しの身が、急逝した妻の莫大な遺産により一変。家の軛から自由になるために、女からの愛を求め、京都で運命の出逢いを果たす。時代の波に流されず、優雅で退嬰的な人生をたゆたう男たちが辿り着いたのは――
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