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地面師たち アノニマス (集英社文庫)

地面師たち アノニマス (集英社文庫)

新庄耕

集英社 / 2024-11-20

累計読者数4
平均ハイライト数 1.3件/人
推定読了時間 約2時間32分
star総合評価 17/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 10%

この本について

仕事でも家庭でも、どうしてか自分だけ歯車が噛み合わない瞬間ってありますよね。真面目にやっているつもりなのに、少しずつ状況が崩れていって、気づいたら後戻りできないところに立っている感じ。自分のせいなのか、運が悪いだけなのか、その境界がぼやけてしまうあの感じです。 『地面師たち アノニマス』を読んで刺さったのは、まさにその「境界の揺れ」でした。100億円規模の詐欺なんて全然関係ないと思っていたのに、登場人物たちの日常がじわじわ壊れていく過程が、妙に現実味を帯びてくるんです。後藤のように、真面目に働いても生活が苦しい時に目の前に置かれる300万円とか、青柳のように正しくあろうとするほど追い詰められていく感じとか、長井のように“いい人”であることが裏目に出てしまう場面とか。どれも突飛な悪ではなく、ちょっとした弱さや疲れに根ざしているのが苦しいほどリアルでした。 読んでいて思ったのは、「自分もどこかで一歩違えば、この側に転がっていたかもしれない」という感覚です。だからこそ、ハリソン山中みたいな存在に心の隙間をそっと触られたら、人は簡単に傾いてしまうんだろうなと。怖いけれど、目をそらせない。 人の弱さを責めきれない人、正しさだけでは立っていられない現実を知っている人に刺さる本です。気持ちは決して軽くならないけれど、読み終えたあとに「誰かの幸せを祈りたくなる」ような静かな余韻が残ります。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

100億円という前代未聞の不動産詐欺を成し遂げた彼らが地面師になるまでを描く、それぞれの前日譚――。司法書士歴20年の後藤は、一人娘の塾代に困るほど、薄給に喘いでいた。そんな中、山中と名乗る実業家から300万円で不正への加担を依頼される。喉から手が出るほど欲しい金額だが、事務所の所長を裏切れないと拒否。だが、事態は一変し!?(「ランチビール」)など、スピンオフ短編、全7編収録。
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