
フェイクニュースを哲学する 何を信じるべきか (岩波新書)
山田 圭一
岩波書店 / 2024-09-24
この本について
情報を追っているつもりなのに、いつの間にか「自分と同じ意見ばかり見ていた」と気づいて冷や汗をかくことがあります。誰を信じればいいのかもよく分からないし、専門家の言っていることも本当に信用していいのか、判断に迷う瞬間ってありますよね。僕もニュースを読むたびに、自分の感覚がどれだけ歪んでいるのか不安になることがあります。 この本は、その不安を一気に解決してくれる“便利な答え”をくれるわけではありません。でも、自分の認知のクセや、情報が歪む理由をかなり具体的に見せてくれます。たとえば、人づてに聞いた話がどんどん単純化されていく「平準化」、自分の先入観に合わせて勝手に内容を書き換えてしまう「同化」。こういう変化が、意図せず起きてしまうことが実験レベルで示されていて、自分の普段の情報の扱い方を見直すきっかけになります。また、専門家同士の“同意の多さ”をどう受け取るべきかという話も、ただ「人数が多いから正しい」とは言えない理由が丁寧に説明されていて、ニュースを見る視点が少し落ち着きます。 特に刺さったのは、「知的に謙虚である」とは自分を卑下することではなく、限界を正しく見積もる態度のことだ、という説明でした。自信過剰でも卑屈でもなく、その中間で踏ん張るのが思っている以上に難しい。ここを腑に落とせると、他人の意見に振り回される時間が明らかに減ります。 情報に疲れているけれど、投げ出したくはない人にほど静かに効く本です。僕自身、この本を読んでから「とりあえず疑う」ではなく、「どこが不確かに見えるのか」を自分の言葉で確認する癖がつきました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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