
経営者のための正しい多角化論 世界が評価するコングロマリットプレミアム (日本経済新聞出版)
松岡真宏
日経BP / 2025-06-27
この本について
事業の将来を考えるとき、「選択と集中と言われるけれど、本当にそれだけでいいのか…」と立ち止まることがあると思います。特に、今の主力事業がこの先どれだけ伸びるのか読めないときほど、どこまでリスクを取るべきなのか判断が難しくなりますよね。自分も同じように迷ってきたのですが、この本はそのモヤモヤをかなり現実的な視点でほぐしてくれました。 面白いのは、多角化=ディスカウントという常識をいったん横に置き、なぜその認識が固定化されたのかを丁寧にほぐしていくところです。例えば地方サービス企業が「選択と集中」を行うことがむしろ経営として不合理になり得る、という指摘は具体的でイメージしやすいですし、財布のシェアという視点に置き換えると、多角化が“攻め”の行動として見えてきます。また、ウェルチの「Focus」の和訳が日本で歪んで定着した話も、どれだけ思考の前提が無意識に固定化されているかを気づかせてくれます。 もうひとつ印象に残ったのは、経営者の仕事を「新しい事業を考え、リスクを取ること」と言い切る姿勢です。多角化の是非よりも、その舵取りをする経営陣の質や外部人材の活用、文化統合の重要性に焦点を当てていて、単なるスローガンではない実務的な視点が貫かれています。 今の事業の先行きに不安がありつつ、それでも何か動かしたいと感じている人にはかなり刺さる本だと思います。迷いながらも前に進まなきゃいけないタイミングで手元にあると、視野がぐっと広がるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの14%が集中しています。
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