
う。-ウナギの蒲焼について- (NEXTRAVELER BOOKS)
高城 剛
累計読者数3
平均ハイライト数 3件/人
star総合評価 34/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 28%
この本について
仕事に追われていると、気づけば「ものを味わう余裕」がどこかに行ってしまうことがあります。好きなはずの食べ物でさえ、ただ流し込んで終わり…みたいな日が続くと、なんとなく心まで乾く感じがするんですよね。かといって、急に丁寧な暮らしを始める気力もない。そんなグレーな気分のときに、この本が意外と効きました。 うなぎをテーマにした本なのに、読み進めるほど「人が何かを受け継ぎ、工夫し、続けていくこと」の面白さに引き戻されます。昭和28年創業の川魚問屋が天然物にこだわり続ける話や、江戸時代の料理文化がどう現代につながっているのかという考証など、歴史の重さというより“積み重ねのリアル”が静かに伝わってきます。マリアナ海嶺で新月の夜に産卵するという、ウナギの途方もない旅路の話もあって、日々の小さな悩みが一瞬だけ俯瞰できるような感覚になるのも不思議でした。 さらに、スペイン・サンセバスチャンのように街全体で食文化を更新し続ける例が挟まれていて、「昔からの技を守ること」と「新しく作り続けること」がどちらも自然に両立している姿に、少し前向きな気持ちが戻ってきます。結局のところ、私たちの日常もこうした小さな試行錯誤の連続なのかもしれません。 昔ながらのものづくりや食の背景に静かに興味がある人、あるいは最近ちょっと気持ちが乾いている人には特に刺さる一冊だと思います。
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