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読書と思索

読書と思索

田中美知太郎

第三文明社 / 2025-12-11

累計読者数4
平均ハイライト数 7.8件/人
推定読了時間 約1時間23分
star総合評価 26/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 10%

この本について

なんとなく疲れているのに、何に疲れているのか自分でもよく分からない時がありますよね。ぼんやりしたい気持ちと、ちゃんと考えなきゃという焦りが同居していて、でも実際には思考が空回りしているだけ、みたいな日。僕もよくそういう状態になります。 『読書と思索』を読んで救われたのは、「考えることに疲れているようで、実は“考えられていない”だけなのかもしれない」という視点をもらえたことでした。田中美知太郎は、雑念に流される状態と、自由に考えるという行為をきっぱり分けます。考えることは苦役じゃなく、本来は遊びに近い営みで、実用から離れたときにむしろ知性は自由になる。そう言われると、肩に入っていた力が少し抜けるんですよね。 もう一つ刺さったのは、「よく生きること」の話です。生き延びることだけを目的にすると、世界はどんどん狭くなります。でも、善く美しく生きるという余白を自分に許すと、思考は息を吹き返す。本にある“食後の散歩を楽しむように、生存の充実から思索へ向かう”という例えが、妙に生活に落ちてきました。無理してポジティブになるのではなく、ちゃんと自分の生活に根を張ったまま考える時間を育てる感覚です。 自分だけの静かな思いを大事にしたい人、あるいは忙しさのなかで「考えるって何だっけ」と感じている人には、特に届く一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

ギリシャ哲学研究の第一人者・田中美知太郎(京都大学名誉教授)が遺した、読書と思索にまつわる数々のエッセイがいま蘇る。没後40年を迎え、新装版として復刊。 自己論・読書論・教養論の三部からなる本書は、戦前から戦後にかけて著者が己の人生と知の軌跡を語った、稀有な告白の書である。論考の行間には、時代と真摯に向き合いながら思索を深めた一人の哲学者の人間像が浮かび上がる。重厚な学問の背後に息づく「思索する魂」に触れることのできる一冊。 「一時的の涙や笑いを、書物から受動的に受け取ろうとするのではなくて、自分の全心を能動的にはたらかせて、一見冷やかに、親しみ難く思われるような言葉の奥に、人間のあたたかくて、親切な心を探り出すというのも、また大切な読書のよろこびであることを知ってもらいたいように思う。」――本文より。
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