
「不機嫌」と「甘え」の心理 なぜ人は素直になれないのか (PHP文庫)
加藤諦三
PHP研究所 / 2004-05-24
この本について
「不機嫌って、自分でも理由がよくわからないまま溜まっていくことがあるな…」 そんなふうに思う日が続くと、相手との距離は近いのに、心だけがじわじわ離れていく感じがします。言いたいことはあるのに言えない。嫌いじゃないのにイライラする。相手を責めたいのに、離れられない。この本の抜粋を見ていると、まさにそこに刺さった人が多いんだろうな、と思います。 読み進めて感じたのは、不機嫌の正体が「怒り」そのものではなく、怒りを表現できない関係に置かれた時に生じる歪みだということです。例えば、子どもの頃に「嫌い」と言っても関係が壊れないという安心感がなかった人は、大人になっても相手への不信感を抱えやすい。その不信感が、恋人や家族との沈黙や不機嫌として顔を出す。読者が保存していた「相手を信じていれば怒りを表現できる」という一文は、まさに核心だと思います。 もうひとつ印象的なのは、相手を信じられないからこそ「ごめんなさい」と言って場を収める癖がつく、という指摘です。心から謝っているわけではなく、嫌われるのが怖いだけ。こうしたパターンが積み重なると、自分でも理由の説明ができない不機嫌だけが残っていくのだと腑に落ちました。この本は、そうした絡まった感情をほどくヒントを丁寧に示してくれます。 親子関係を軸に語られてはいますが、実際には恋人・夫婦・職場など、近い関係ほど当てはまる話ばかりです。自分の感情がすぐ不機嫌に変わってしまう理由を知りたい人には、とても刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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