
不安のしずめ方 人生に疲れきる前に読む心理学 (PHP文庫)
加藤諦三
PHP研究所 / 2007-10-01
この本について
人前に出る前から「また失敗するんじゃないか」と勝手に体が緊張してくる。誰かに良く見られたくて背伸びした結果、あとで「本当の自分がバレたらどうしよう」と疲れ果てる。周りに気をつかってばかりなのに、なぜか人間関係がうまく回らない。そういうときって、目の前の出来事よりも、自分の価値が脅かされる感じのほうがしんどかったりします。 この本は、不安を力づくで消そうとはしません。むしろ「何に怯えているのか」「なぜ自分はこう振る舞ってしまうのか」を、かなり丁寧にほぐしにいきます。たとえば、赤面や緊張を呼び込む“期待不安”の正体を言語化してくれたり、見栄を張るほど不安が強まるという“仮面の構造”を説明してくれたりします。読み進めるうちに、無意識でやっていた反応のクセが少しずつ見えてくる感じがあります。 もうひとつ深く刺さるのは、人間関係の「違和感」にも踏み込んでいるところです。口では優しくても、実際には何もしてくれない相手に振り回され続ける理由とか、子どもの頃に安心できなかった経験が、大人になっても素直に頼れない感覚につながることとか。自分の不安の“源”を探る作業って重たいですが、そこが言語化されると、行き詰まりの出口が見えてきます。 自分のことを過剰に良く見せてしまう人や、人の目を気にしすぎて苦しくなる人には、とくにしっくりくると思います。読んだから劇的に変わる、というより、ようやく不安の正体に触れられる。そんな一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
読書の順序
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