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天地明察 上 (角川文庫)

天地明察 上 (角川文庫)

冲方 丁

KADOKAWA

累計読者数19
平均ハイライト数 8.1件/人
推定読了時間 約3時間24分
star総合評価 54/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 37%

この本について

仕事でも暮らしでも、自分の基準がぶれてしまう時ってありますよね。周りの空気に合わせて動いているうちに、「そもそも自分は何を大事にしたかったんだっけ」と立ち止まってしまう。頭ではわかっていても、日常の雑事に押されて視野がどんどん狭くなる感じ、僕もよくあります。 『天地明察』を読んでいると、その狭まった視野をふっと広げてくれる瞬間があるんです。たとえば、何度も見てきたはずの夜空に春海が息を呑む場面。見慣れたものの奥にある途方もない広がりに触れると、いま目の前の悩みも「もう少し長いスパンで見ていいのかもしれない」と思える。あるいは、算術に対して胸の底から湧き上がる歓びと恐れを抱く描写は、「本気で向き合うってこういうことか」と、自分の仕事への姿勢まで勝手に照らされてしまう。 もう一つ刺さるのは、人の営みが歴史や制度、信仰といった大きな流れの中で動いていく感覚です。暦のわずかな違いで揺れる幕府のやり取りや、誰かの研究の背景に隠れた師弟のつながり。そこに「自分一人の努力だけでは届かないけれど、確かにどこかにつながっていく」という、静かな安心がある。焦って空回りしているときほど、こういう視点が効きます。 地に足をつけて前に進みたいけれど、視界が曇ってしまいがちな人に向いている一冊です。自分の中のリズムを取り戻したいとき、物語を読むというより、呼吸を整え直すような気持ちで手に取れると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ちあがる。即ち、日本独自の暦を作り上げること。当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれた春海は己の境遇に飽き、算術に生き甲斐を見出していた。彼と「天」との壮絶な勝負が今、幕開く――。日本文化を変えた大計画をみずみずしくも重厚に描いた傑作時代小説。第7回本屋大賞受賞作。 ※本書は2012年5月に発売された角川文庫版『天地明察』を底本に電子書籍化したものです。
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