
金田一耕助ファイル3 獄門島 (角川文庫)
横溝 正史
角川書店 / 1971-10
累計読者数4
平均ハイライト数 13件/人
推定読了時間 約7時間12分
star総合評価 56/100
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この本について
仕事でも人間関係でも、「自分の見えている世界が実はかなり偏っているのかもしれない」と不安になることがあります。見立て違いのまま走ってしまって、あとで取り返しのつかないズレに気づく、あの感じです。今回の抜粋を読んでいて、まさにその“視点の偏り”を扱った物語として刺さっているんじゃないかなと思いました。 『獄門島』に出てくる島の空気は、とにかく閉じていて、みんなが自分の物差しのなかでしか語らない。その結果、外から来た金田一だけが、島の“当たり前”にひっかかる。読んでいる側も同じで、網元同士の長年の対立や、島の出自、芝居好きの文化など、細かい背景をたどりながら、ようやく少しずつ状況が立体化していく。その過程で、自分がどれだけ一面的な理解に頼ってしまうのかを思い知らされるところが、この作品の効きどころだと思います。 そしてもうひとつは、了沢君の場面に象徴される、後悔の重さです。ちょっとした判断ミスが一生ついて回る感覚は、フィクションなのに妙に現実的で、胸がざわつく。戦争で人生が空白になった金田一の描写も含めて、事件以外の“重さ”が積み上がっているところが、ただの推理ものでは終わらせてくれません。 閉ざされた空気の中で、他人の話を鵜呑みにしがちな自分に気づきたい人に、とても刺さる一冊です。
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出版社による紹介
獄門島——江戸三百年を通じて流刑の地とされてきたこの島へ金田一耕助が渡ったのは、復員船の中で死んだ戦友、鬼頭千万太に遺言を託されたためであった。『三人の妹たちが殺される......おれの代わりに獄門島へ行ってくれ』瀬戸内海に浮かぶ小島で網元として君臨する鬼頭家を訪れた金田一は、美しいが、どこか尋常でない三姉妹に会った。だが、その後、遺言通り悪夢のような連続殺人事件が! トリックを象徴する芭蕉の俳句。後世の推理作家に多大な影響を与えたミステリーの金字塔!!
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