
期間限定の思想 「おじさん」的思考2 (角川文庫)
内田 樹
KADOKAWA / 2011-10
この本について
最近、理不尽な出来事にぶつかったときに「これって何の意味があるんだろう」と考え込みすぎて、余計にしんどくなることが多いんですよね。誰かの悪意とか、説明のつかない不運とか、きれいに理由づけできないものに振り回されると、自分の理解力や判断まで疑いたくなる。でも本当は、世界には“意味なんてないまま降ってくるもの”が普通にあるだけで、自分が弱いわけじゃないんだろうな、と思わせてくれる本がありました。 内田樹『期間限定の思想』は、そんな「どうにも説明できない現実」との距離の取り方を、少しだけ柔らかくしてくれます。猫の手を潰すような理由なき悪意が存在すること、誰かがユニークであろうとすると必ずどこかで嫉妬や憎しみが湧くこと、自分の痛みを無理に物語化すると他人の痛みに鈍くなること――読んでいて刺さる箇所が多いのは、きっと自分でも気づかないうちに同じことに悩んでいたからなんだと思います。 そしてもうひとつ、この本が quietly 効いてくるのは、人が誰かに支えられないと立てない存在だと当たり前のように書いているところです。雪かきのように評価もされない行為でも「世界の善を少しだけ積み増す」ものとして扱ってくれる感じも、自分がいまやっている仕事や関わり方を少しだけ肯定してくれる気がします。 「理不尽に意味を求めすぎて疲れている人」にとくに刺さる本です。私もその一人でしたが、読むことで世界の見え方がほんの少しだけマイルドになりました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの99%が集中しています。
読書の順序
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