
水滸伝 十五 折戟の章 (集英社文庫)
北方謙三
集英社 / 2007-12-14
累計読者数6
平均ハイライト数 7件/人
推定読了時間 約4時間44分
star総合評価 49/100
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この本について
仕事でも生活でも、うまくやりたい気持ちはあるのに、実際の行動がついてこなかったり、自分の器量の小ささばかり気にしてしまったり。理想の自分と現実の自分のあいだで、何度もため息が出ることがあります。最近、そんな気持ちを抱えたまま読んだのが『水滸伝 十五巻』でした。派手な戦の場面だけでなく、登場人物がそれぞれの「弱いところ」と向き合う描写が妙に胸に残ります。 たとえば、盗みを繰り返す少年が「ひねくれている自分をごまかすために盗む」と言いながら、うまく言葉にできず混乱していく場面。あの感じ、自分の本心をうまく扱えない時の不器用さに重なりました。また、五千を率いる立場になった男が「自分は千が限界」と正直にこぼすシーンでは、背伸びしなきゃいけない状況でも、腹の底では不安が消えないあの感じがリアルに描かれています。そして戦場では、ただ腕が立つだけではなく、仲間の死を背負いながら、それでも前に立つ人間の決意が淡々と描かれます。ここには英雄譚というより、覚悟を迫られる普通の人間の影がありました。 派手さよりも「弱さごと前に進む人間」を見たい人に刺さる巻だと思います。読んでいると、自分の不格好さに少しだけ居場所が生まれるような、そんな読後感がありました。
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出版社による紹介
どの寨が崩れても、梁山泊は潰滅する。極限状況の中、各寨は必死の防戦をしていた。特に激しい攻撃に晒(さら)された流花寨(りゅうかさい)は、花栄(かえい)らが死を覚悟して闘い続ける。しかし、官の水軍の進攻が始まり、それも限界が近づいていた。一方、宣賛(せんさん)は起死回生の策を考え出す。密かに李応(りおう)や索超(さくちょう)、扈三娘(こさんじょう)を北京大名府(ほっけいたいめいふ)に急行させた。梁山泊の命運を握る作戦が今、静かに始まる。北方水滸、危局の十五巻。
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