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こころの処方箋(新潮文庫)

こころの処方箋(新潮文庫)

河合 隼雄

新潮社 / 1998-06-01

累計読者数41
平均ハイライト数 16.1件/人
推定読了時間 約2時間28分
star総合評価 65/100
menu_book精読型
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この本について

人と向き合うとき、自分の中のどこかが揺れている気がする。相手の言い分を聞こうとしても、こちらの余裕がなくて固まってしまう。家族や仕事の場でも、「理解したい」と思うほど距離が生まれたり、逆に相手に合わせすぎて自分がよくわからなくなったり。そんな揺れを抱えたまま日々をやりくりしている人は多いと思います。 『こころの処方箋』は、その揺れを「無くす」本ではなく、「揺れたままで立っていていい」と教えてくれる本でした。たとえば、他人を理解しようとするときに、自分の根っこがぐらつくのは当たり前だ、と河合さんはあっさり言い切ります。その言葉に触れると、理解できない自分を責める感じが少し減るんですね。また、理想を目指すほど苦しくなる時期には、「理想は灯台であって到着点じゃない」という視点が救いになります。走り続けるためじゃなく、いまの位置を照らすために理想がある、と知るだけで呼吸が軽くなる。 さらに、この本が面白いのは「心の処方箋は、原因分析よりも未知の可能性から生まれる」と語るところ。正しさで固めようとするほど世界が狭くなるけれど、少し余白を持つと自分の中に思わぬ動きが起きる。その感覚を丁寧に扱ってくれます。 自分のまま人と関わることに疲れている人、自分の正しさに窮屈さを感じている人には特に刺さると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「耐える」だけが精神力ではない。心の支えは、時にたましいの重荷になる。――あなたが世の理不尽に拳を振りあげたくなったとき、人間関係のしがらみに泣きたくなったとき、本書に綴られた55章が、真剣に悩むこころの声の微かな震えを聴き取り、トラブルに立ち向かう秘策を与えてくれるだろう。この、短い一章一章に込められた偉大な「常識」の力が、かならず助けになってくれるだろう。

目次

言葉との出会い 梅棹忠夫さんのこと 鶴見俊輔さんとの出会い 藤岡喜愛さんを偲んで 井筒俊彦先生を悼む 川瀬敏郎さんの美の世界 賢治と明恵 C・G・ユング ジャン=ピエール・ランパル ニジンスキー 本とおはなし 聖の青春 トオイと正人 『うつほ物語』のなかの女性像 取り替え子 ユングとアプラクサス 皇后さまの講演録を読んで 大人にすすめたい「子どもの本」 子どもの本雑感 失われた居場所 子どもの幸福 今日はわが身 子どもにとっての友だち 逸脱行動の意味するもの 私たちは未来を見ます 言葉が熟すのを待つ 子どもの心をつかむということ 求められる教師の力 家族の未来 「わが家の儀式」の創造 自立と孤立 現代日本の父親 「父性」を創造せよ 「くるたのしい」子育て 子育てを楽しむために 児童文学における家族 変化しつつ変化しないもの 煙草をすう男 あいまいについて 「グッドハート」の移植 こころの時代を生きるために 巡礼と巡回 サンフランシスコの風
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