
河合隼雄の「幸福論」
河合 隼雄
PHP研究所 / 2014-09-12
この本について
仕事でも子育てでも、人間関係でも、「これが正しいはず」と思って動いているのに、どこか噛み合わない感じが続くことってありませんか。自分なりに頑張っているつもりなのに、いつのまにか常識とか期待とか、“比べる軸”にしばられすぎている気がする。僕自身、このあたりでしんどくなって、本を閉じて深呼吸したくなる日がけっこうあります。 河合隼雄の「幸福論」は、そんなときに一度立ち止まる余白をくれる本でした。たとえば「幸福を目標にしすぎると、かえって見失う」という指摘は、成果や効率ばかりを追う日常に、静かにブレーキをかけてくれます。さらに、「常識は守りにもなるが、縛りつける必要はない」という話は、自分が握りしめている“正しさ”をいったん横に置くきっかけになるし、「子どもの幸福は、子ども自身が獲得するもの」という視点は、誰かを思うあまり空回りしてしまう親や上司の気持ちにも刺さるはずです。 この本が強いのは、抽象的に励まさないところで、「何が幸福かは、他人の物差しでは測れない」と淡々と言い切りつつも、じゃあどう生きればいいのかを、多様な例や昔話を通してそっと示してくれる点です。無理に前向きにならなくていいし、焦って変わらなくてもいい。ただ、自分の人生をどう味わうかに目を向けると、見えてくるものがある。そんな読み心地です。 「正しさに疲れてしまった人」には、特にしっくりくると思います。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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