
1万人の体験から学んだ「聞く技術」 (PHPビジネス新書)
大塚 寿
PHP研究所 / 2013-08-30
この本について
仕事で人と関わる場面って、内容には自信があるのに、なぜか伝わり方で損している気がすることがありませんか。交渉の席でも、こちらの言い分を話しているはずなのに、どこか噛み合わない。自分の「聞けていなさ」が薄く残る感じ。僕もずっとそこにモヤモヤしていました。 この本がおもしろいのは、「聞く」をテクニックとして盛るのではなく、実際の現場でどう役に立つかがかなり具体的に語られているところです。たとえば、プレゼンは中身だけで勝負できないという話。内容が良くても、ラッピング次第で評価が変わってしまうという例えは、痛いほどリアルでした。話の組み立て方や見せ方を整えると、同じ事実でも相手の受け取り方が変わるという感覚がつかめます。 もう一つ大きいのは、交渉は「主張のぶつけ合い」ではなく、相手の本音と建前をどこまで察しながら落としどころを描けるかだという視点。自分の言いたいことを整理する前に、相手の考えている地図をざっくり把握する。そのためには、聞く力が八割を占めるという指摘が、妙に腑に落ちました。さらに「貸し借り」という、人間関係のリアルな力学も扱っていて、机上の理想論で終わらないのがいいところです。 丁寧に聞いているつもりだけど、実際は相手の言葉のどこが大事なのか取りこぼしている気がする人には、かなり刺さると思います。自分の話し方を磨く前に、土台としての「聞く」の輪郭を整えたい時にちょうどいい一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの44%が集中しています。
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