
どうしても「許せない」人 (ベスト新書)
加藤諦三
ベストセラーズ / 2008-01-08
この本について
人間関係で「どうしてこんなに消耗するんだろう」と思う日ってありますよね。相手が悪いのか、自分が甘いのか、あるいは自分が気にしすぎなのか。頭では割り切ったつもりでも、心の底に澱のように「許せない」が残っていて、前に進めないまま時間だけが過ぎていく。僕自身、このループに何度もハマりました。 この本が効いてくるのは、感情論ではなく“なぜ許せない状態から抜けられないのか”を、かなり現実的に説明してくれるところです。たとえば、憎しみで視野が狭くなり、自分の人生まで相手に握られてしまう感覚とか、やらなくていいことを背負ってしまう背景にある「自己蔑視」の癖とか、聞き慣れた言葉の奥にある構造が丁寧に言語化されています。そして「許そう」と無理に美徳を掲げるのではなく、一度は復讐心をそのまま持っていい、と緊張をゆるめてくれる。そのうえで、最終的には自分の生活を立て直す方向へ少しずつ視点を誘導してくれるところが、この本の強みだと思います。 とくに刺さるのは、自分を安く扱ってくる相手ほど、こちらが迎合するかどうかを敏感に見抜くという指摘でした。僕自身、断れずに消耗していた時期ほど「相手が変わらない」という思いでいっぱいだったのですが、実際には自分の側の境界が曖昧すぎたんだと気づかされました。ずるい人にとっての“美徳”が、こちらの搾取の条件になってしまうという指摘も、身に覚えのある人にはかなり刺さるはずです。 誰か一人をずっと許せず、でも怒りに振り回されるのにも疲れてきた人に、静かに効く本です。自分の責任と他人の責任の境界線を、もう一度引き直したい人に向いています。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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