
千住博の美術の授業 絵を描く悦び (光文社新書)
千住 博
累計読者数6
平均ハイライト数 39.2件/人
推定読了時間 約3時間54分
star総合評価 64/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 15%
この本について
絵でも文章でも、何かをつくろうとすると「自分には何もないんじゃないか」と急に不安になることがあります。手を動かしても、どこか借り物っぽくなる。逆に、余白をどう扱っていいか分からずに固まってしまう。僕もよくそこで止まります。 千住博さんの本は、その行き詰まりに少し風を通してくれるような内容でした。たとえば、上手くなるとは“新しい何かを足す”ことではなく、“自分にすでにあるものに気づいて磨く”ことだと語られていたり、捨てきれなかった線や形がその人の文脈になっていく、という話が出てきます。描いていない部分さえも作品の一部で、その余白に意識が届いていないと画面が落ち着かない、という指摘もドキッとしました。つまらないと思った部分をどう面白くしていくか、そこで初めて自分の美意識が育つという視点も、作業に戻る勇気をくれます。 わからないなりに手を動かして、ふと訪れる「これかも」という瞬間を逃さないために、準備だけはしておく。そんな姿勢を静かに肯定してくれる本でした。自分の表現に迷っている人、自分に何があるのかを探している人には特に刺さると思います。
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