
日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書)
飯尾潤
この本について
政治の話題を見聞きするたびに、「なんで日本の政治はこう噛み合わないんだろう」と、どこに原因があるのかよく分からないままモヤモヤしていました。制度の問題なのか、政党なのか、官僚なのか。表面的な議論だけ追いかけても核心に触れた感じがしないまま時間だけが過ぎていくんですよね。 この本を読んで少し腑に落ちたのは、日本の政治が抱えていると思われている多くの“問題”が、実は議院内閣制そのものというより、戦前から続く官僚内閣制的な慣行や、政党組織の弱さに起因している部分が大きいという指摘でした。たとえば、政府と与党が別々の意思決定の場を持つ構造や、予算編成が積み上げ式で全体の方向性が示されにくいこと。制度の教科書だけ読んでいると見逃しがちな、日本ならではの“ねじれ”が丁寧に説明されていて、日常のニュースの見え方がかなり変わりました。 もう一つ助かったのは、議院内閣制と大統領制の比較が、単なる分類ではなく「なぜそう動くのか」という力学の話として描かれているところです。日本と韓国で権力の分散と集中が逆転する理由や、政党組織の厚みによって政治家と官僚の関係がどう変わるのかなど、自分の中で曖昧だった点がようやくつながりました。制度を覚えるより、現実の政治の“動き方”が知りたかった人にはすごく向いていると思います。 政治の仕組みを「なんとなく」理解した気になっていたけれど、細部に違和感が残っていた人に刺さる一冊です。自分の中の説明できないモヤモヤに名前が付く感覚がありました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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