
エセー1
ミシェル・ド・モンテーニュ and 宮下志朗
グーテンベルク21
この本について
仕事や暮らしの中で、気持ちがざわつく瞬間ってありますよね。突然の悪い知らせで身体が固まったり、未来のことで勝手に不安を膨らませたり、誰にぶつけるでもない怒りを抱え込んだり。頭では「気にしても仕方ない」とわかっていても、心がついてこないまま一日が終わっていくこと、僕もよくあります。 モンテーニュの『エセー1』を読むと、そういう心の揺れを「どう整えるか」というより、「人間ってそもそもこういう生き物だよな」と、ゆっくり許せるようになる感覚があります。たとえば、悲しみの最初の衝撃では自由に考えることすらできず、涙が出てようやくほっとする、という描写。怒りにまかせて関係ないものに噛みつく動物の話も、自分がやってしまう理不尽な八つ当たりにそのまま重なります。そして未来を心配しすぎる滑稽さを淡々と突きつけられると、「今日どうにかやれてるならまず十分か」と視点が静かに変わっていきます。 さらに刺さるのは、他人や状況よりも、まず自分を知ることの大事さをくり返し語っているところです。出会いの中でふと自分が見つかる瞬間の話や、知識に頼りすぎると肝心な部分を見失うという指摘は、情報に追われがちな今の生活にじわっと効いてきます。大げさに人生が変わる類の本ではないですが、時間をかけて読むほど、自分の判断や態度が少しずつ現実的になっていく感じがあります。 日々の揺れに振り回されやすい人、焦りや不安の理由が自分でもよくわからなくなる人には、特にしみ込む一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの37%が集中しています。
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