
街道をゆく34
司馬遼太郎
朝日新聞出版 / 2009-04
累計読者数3
平均ハイライト数 83件/人
推定読了時間 約6時間4分
star総合評価 70/100
menu_book精読型
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この本について
仕事に追われていると、歴史に触れる時間なんてないまま日々が過ぎていきます。でもふと、自分がいま立っている場所の「背景」みたいなものが分からなくなって、薄い地図の上を歩いているような心もとなさに襲われることがあります。どこから来て、なにが積み重なって、いまの日本や自分の感覚が形づくられているのか。そんな根っこの部分を確かめたくなる瞬間ってありませんか。 『街道をゆく34』を読んでいて感じたのは、その心もとなさを静かに埋めてくれる“質感”のようなものです。たとえば、秦氏が政治の野心よりも土地をひらくことに徹していた話は、仕事で成果ばかり求められがちな日常から少し距離を置かせてくれるし、侘びを「正直に慎しみ深く、おごらぬさま」ととらえる視点は、背伸びしすぎた自分をゆっくり地面に戻してくれます。さらに、一休や禅の話に出てくる“否定を重ねて底につくと肯定がひらける”という考え方は、行き詰まったときに無理に前を向こうとしなくてもいいのだと思わせてくれる。どれも派手ではないのに、読み終えたあとじわじわ効いてきます。 歴史を知るというより、いまの自分の感覚を少しだけ調律し直したい人に向いている一冊です。肩に力が入りやすい人、立ち止まる口実を探している人には、特にしっくりくると思います。
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出版社による紹介
能、狂言、茶道、絵画などが勃興し、現在の日本文化の原点といえる室町の世を考えながら早春の京都・紫野を歩いた「大徳寺散歩」。大燈・一休以来の厳しい禅風がいまも生きる境内を、心地よい緊張感を感じつつゆく。「中津・宇佐のみち」では、宇佐使の宇佐八幡、黒田官兵衛の築いた中津城と、歴史をたどる。そして幕末の中津が生んだ福沢諭吉の、独立不羈の精神について多く筆を費やす。
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