
仙台ぐらし (集英社文庫)
伊坂幸太郎
荒蝦夷 / 2012-02
この本について
仕事でも日常でも、ふと「自分、ちょっと思い上がってないか」とか「なんでこんな細かいことで落ち込むんだろう」とか、妙な自意識に振り回される瞬間ってありますよね。誰かに相談するほどでもないけれど、心のどこかでずっと気になっているあの感じです。 『仙台ぐらし』は、伊坂幸太郎さん自身の生活の中で起きた出来事や感情が、そのままの温度で語られていくエッセイです。読んでいると、本人の戸惑いも弱さもそのまま出てきて、「あ、こういう迷いってみんな抱えてるんだな」と少し呼吸が楽になる。本当に刺さるのは、震災後の戸惑いや、自意識の暴走に気づいた瞬間など、派手さのない“心のひっかかり”が丁寧に言葉にされているところだと思います。自分を過大評価していたかもしれないという苦笑いだったり、泣いてしまう自分をどう扱っていいか分からない感じだったり。どれも大きな結論には向かわないのに、読む側の姿勢が少しだけ変わるんですよね。 特に、貼ったシールを剥がすようにしか「考え」は変えられない、という感覚は、焦って答えを出そうとしていた自分を落ち着かせてくれました。情報に疲れた時期の話も印象的で、「知らないままのほうが救われることもある」という視点が、妙に腑に落ちます。 誰かの完璧な成功談より、同じ地面を歩いている人のつぶやきのほうが効くタイプの人に向いている本です。自分のペースが分からなくなった時にそっと開くと、気持ちの位置が少しだけ整います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
読書の順序
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