
鍵のない夢を見る (文春文庫)
辻村深月
文藝春秋 / 2015-07-10
累計読者数4
平均ハイライト数 4.3件/人
推定読了時間 約3時間17分
star総合評価 50/100
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この本について
人の気持ちって、わかったつもりで実は全然わかってなかったりしますよね。家族に対しても、友人に対しても、「あのとき何を考えていたんだろう」とふと立ち止まる瞬間がある。自分の過去の行動ですら、あとから別の意味に見えてきて、ちょっと気持ちがざわつくこともあります。 『鍵のない夢を見る』を読んでいて刺さるのは、まさにその“ざわつき”の部分に手を伸ばしてくるところです。たとえば、親の愛情の向け方を、次の世代を見てようやく理解する場面。思い出の中の親の姿が、自分と子どもの関係を通して違う形で立ち上がってくる感覚があって、これまで説明のつかなかった感情が少し整理されます。また、学生時代のちょっとしたひと言や、人間関係の空気を壊さないための沈黙が、どれだけその人の本音を覆っていたかが静かに浮かび上がる。自分ならどうしていただろう、と読んでいる側まで巻き込まれるような距離感があります。 この短編集は、派手な事件よりも、人の心の微妙な折れ目をそのまま差し出してくる作品なので、無理に答えをくれたりもしません。でも、その曖昧さの中に、自分の過去の行動や関係の見え方が少し変わる瞬間があります。日常でふと引っかかった気持ちを置き去りにしたくない人に刺さる一冊だと思います。
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多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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出版社による紹介
望むことは、罪ですか? 誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、出会い系サイトで知り合ったDV男との逃避行──。普通の町に生きるありふれた人々に、ふと魔が差す瞬間、転がり落ちる奈落を見事にとらえる五篇。現代の地方の閉塞感を背景に、五人の女がささやかな夢を叶える鍵を求めてもがく様を、時に突き放し、時にそっと寄り添い描き出す。著者の巧みな筆が光る傑作。第147回直木賞受賞作!
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