
誰も教えてくれない 考えるスキル(日経BP Next ICT選書)
芝本 秀徳
日経BP / 2015-08-19
この本について
仕事をしていると、いつの間にか「目の前の作業をこなすこと」が目的になってしまう瞬間がよくあります。会議のための資料、資料のための分析、分析のためのデータ集め…気づいたら本来の目的がどこかに行ってしまう。自分でもモヤっとしながら、でも対処法が分からずそのまま進めてしまう。そんな状態に心当たりがある人には、この本の言っていることがかなり刺さると思います。 この本が面白いのは、思考の才能よりも「言葉の扱い方」と「プロセスの踏み方」に徹底的にこだわっているところです。例えば、何かを考えるときはまず言葉の定義を決める。マネジメントとは何か、分析とは何か、目的と手段はどう階層になっているのか。こういう“当たり前すぎて誰も説明しない部分”を、自分の言葉で言い切れるようにしておくと、仕事の迷い方がかなり変わります。やみくもに一般論に逃げるのではなく、自分の状況に合った「機能する考え方」をつくる感覚です。 もうひとつ効いたのは、問題解決のプロセスそのものを“思考回路の選択”として扱っているところ。現状把握では事実を集める、計画ではゴールまでの道筋をシミュレーションする、プロジェクト運営では役割とリソースを整える…こうやってステップごとに必要な回路が違うと分かると、手探りで進めていた作業に輪郭が出てきます。個人的には「現行プロセスの定義」がいちばん苦しい、という著者の指摘に深くうなずきました。 手段の目的化に悩んでいる人、一般論ではなく“自分の言葉で考える力”を鍛えたい人にはかなり相性がいい一冊です。
読書インサイト
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多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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