
世界史の構造 (岩波現代文庫)
柄谷 行人
インスクリプト / 2010-06
この本について
仕事でも日常でも、いま自分が動かしている仕組みが何なのか分からなくなる時があります。会社のルールや国の制度に文句を言いたくなる一方で、自分もその中で生きるしかない。この「どうして世界はこうなっているんだっけ」という素朴な問いに、答えを探すきっかけをくれたのが『世界史の構造』でした。 読んでいてまず効いたのは、国家や資本が“最初からあったもの”ではなく、共同体同士の交換や信用の積み重ねから生まれたものだ、と丁寧に描いてくれるところです。たとえば、国家は暴力で人々を押さえつけたから成立したのではなく、支配される側が「安全のために従おう」と同意する交換だったという説明に触れると、普段なんとなく従っている制度の見え方が変わります。また、農業や都市の起源が「人々が定住したから自然に生まれた」という視点を知ると、歴史の流れがぐっと身近になります。資本と国家とネーションがそれぞれ異なる原理で動きつつ、互いに支え合って現在の社会構造になっているという話も、仕事の現場で感じるちぐはぐさの理由づけとして腑に落ちました。 決して読みやすい本ではありませんが、世界の動きに対して「自分なりの説明がほしい」と思っている人には、静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの51%が集中しています。
読書の順序
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