
ルポ塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体 (幻冬舎新書)
おおたとしまさ
幻冬舎 / 2016-01-29
この本について
受験や教育の話になると、どうしても「正解のルート」を踏み外さないように…と身構えてしまうことがあります。自分の進路でも、子どもの学びでも、遠回りしている気がすると不安になる。でも一方で、与えられた課題をこなすだけの勉強や、正解探しに偏った思考にどこか違和感がある。そんなモヤモヤを抱えている人は多いと思います。 『ルポ塾歴社会』は、その違和感をちゃんと言語化してくれる本でした。とくに刺さったのは、「正解が変わり続ける時代では、問いを抱え続ける力が必要になる」という視点です。効率的に最短距離を走ることより、回り道で出会う景色があとで効いてくるという話は、自分のこれまでの経験とも重なりました。また、塾が作戦立案や意志力の多くを肩代わりすることで、子どもから“試行錯誤の経験”が奪われつつあるという指摘も、耳が痛いけれど見過ごせないポイントでした。自分で選んだ道を、自分の力で最善にしていく感覚って、本来は受験勉強の中で育つものなんですよね。 この本は、単に塾の是非を論じるものではなく、「教育をどう捉えるか」というもっと手触りのある問いを投げかけてきます。回り道や無駄をどう扱うかで、人生の基盤が変わってしまうかもしれない。だからこそ、勝ち馬に乗る前に一度立ち止まりたい人に向いています。 「正解のない状況に弱い自分をどう扱えばいいのか」と感じている人に、静かに効く一冊です。
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多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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