
日本会議の研究 (SPA!BOOKS新書)
菅野 完
扶桑社 / 2016-04-28
この本について
政治のニュースを見ていて、「なんでこの議論はいつも同じ方向に転ぶんだろう…」とか、「裏で何が起きてるのか全然わからないまま流されてる気がする」というモヤモヤって、僕もずっと抱えていました。賛成とか反対とかより前に、そもそも背景を知らないまま判断している不安があるんですよね。 『日本会議の研究』は、そういう“背景の見えなさ”に手を伸ばしてくれる本でした。読んでいて印象的だったのは、改憲や教育、家族観といったテーマが、突然盛り上がったわけではなく、何十年も積み上げられた運動の延長線にあるという描き方です。抜粋にもあったように、村上正邦のようなキーパーソンの働きかけや、元号法制化運動、宗教団体や学生運動の流れが複雑に絡まりながら、今につながっていく具体的な道筋が、丁寧に追われています。今の政治の“空気”が、どこからやってきたのかが輪郭を持って見えてきます。 もう一つ、この本の効き目を感じたのは、「個人の信念」ではなく「組織の積み重ね」が物事を動かすんだ、という視点に触れられたことでした。安倍政権の周囲にどんな人がいて、どんな議連や団体がつながっているのか。そこに偶然ではない継続性があることを知ると、ニュースの読み方が少し変わります。誰が良い悪いというより、構造として見える情報が増える感覚です。 こういう裏側の動きを、感情的になりすぎず、でも遠ざけもせずに知りたい人には刺さると思います。政治に疲れてしまった人ほど、事実の積み重ねから静かに流れを追える、この本のような距離感がちょうどいいかもしれません。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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