
いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世 教養編
安藤 達朗, 佐藤 優, and 山岸 良二
東洋経済新報社 / 2016-03-30
この本について
歴史って、「なんとなく年号を覚えるだけで終わってしまったな…」というモヤモヤをずっと引きずりがちですが、仕事や生活で判断に迷ったとき、背景となる“人間のパターン”を知っているかどうかが意外と効いてくるんですよね。僕自身、原始から古代への流れをきちんと理解していないせいで、社会の変化をどう捉えたらいいか分からなくなることが多くて、この本を手に取りました。 読んでみて刺さったのは、まず人類が「自然に従う存在から、自然を利用する存在へ」移り変わった瞬間がどれほど大きな転換だったかを丁寧に追っているところです。狩猟採集から農耕・牧畜へ進むとき、定住が生まれ、貯蔵が生まれ、そして格差や支配構造が避けがたく立ち上がっていく。その流れを押さえると、現代の組織や社会の“なぜこうなるのか”に妙に納得がいきます。また、日本の政治思想が「自分が生んだものを支配する」発想と「支配を委ねる」発想の二本立てで成り立っているという指摘も、今の政治や会社組織を眺めるときの視点の置き方が変わりました。 さらに、神話が古代人にとって単なる物語ではなく、科学であり歴史であり文学でもあったという説明も、文化の捉え方を柔らかくしてくれます。神話や儀礼の話が、精神論ではなく“生活の仕組み”に根づいた説明で語られているので、教科書では見えなかったリアリティが立ち上がります。 日本史をまるごと理解しようというより、「歴史の流れを自分の判断軸に少し足したい人」に向いている一冊でした。僕と同じように、今の社会の形にどこか引っかかりがある人ほど、手に取る意味があると思います。
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