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人生論(新潮文庫)

人生論(新潮文庫)

トルストイ、原 卓也

新潮社 / 1958-03-12

累計読者数40
平均ハイライト数 32.6件/人
推定読了時間 約3時間40分
star総合評価 73/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 28%

この本について

最近、自分の幸福ばかり気にしていると、逆にしんどくなる瞬間ってありませんか。人に気をつかっているつもりなのに、どこかで「結局みんな自分のことで精一杯なんだよな」と冷めてしまう時もある。死や不安を意識するときほど、こうした気持ちは強くなって、なんとなく世界全体が息苦しく見えてきます。 トルストイの『人生論』は、その息苦しさをごまかさずに正面から扱います。ただ、「もっと人に優しくしよう」とか「利他的に生きよう」みたいな話ではまったくなくて、読者が保存していた抜粋にあるような、“個我にしがみつく限り幸福は成立しない”という、痛いほどに生々しい現実を最初に突きつけてきます。そこを避けないからこそ、次に示される視点の転換が、綺麗事ではなく現実的な道として感じられるのだと思います。 自分だけの幸福を追い続けるほど苦しみが増える理由を、心理論ではなく「どう生命を理解するか」という角度で説明してくれる。死を恐れ続ける状態そのものが、個我の仕組みから生まれる錯覚だと示してくれる。そして、“他者の幸福を自分の中に組み込む”という言い方では追いつかないほどの、静かな落ち着きの感情がどうして生まれるのかを、抽象で終わらせずに具体的な心の動きとして描いています。 自分の考えぐせに行き詰まりを感じている人、あるいは「利他とか愛とか、正直どこか信用できない」という人にこそ刺さる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

幸福は人間の一大迷妄である。蜃気楼である。がそうは悟れない。この悟れない人間を悟れないままに、幸福の夢を追わせつつ救済しよう。人生はこの意味では喜劇であり戯曲である。従ってこれを導く人生論も、諷刺的、ユーモア的にならざるをえない。本書は厭世哲学者といわれる著者が、豊富な引用文と平明な表現で人生の意義を説き幸福を教える名随筆「処世術箴言」の全訳である。
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