
土を喰う日々―わが精進十二ヵ月―(新潮文庫)
水上 勉
累計読者数6
平均ハイライト数 6.2件/人
star総合評価 39/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 20%
この本について
料理でも仕事でも、目の前のものにきちんと向き合いたいのに、つい「効率」や「正しさ」を探しにいってしまうことがありませんか。台所に立っても、どこか頭がうるさくて、心がついてこない感じ。僕自身、忙しい日ほどその状態に陥りがちで、何をやっても雑になるのが悩みでした。 『土を喰う日々』を読んで救われたのは、「ものの良し悪しに心を振り回されない」という姿勢でした。たけのこに会えばたけのこになりきるように、相手の持ち味に深く入り込む。これは料理の話でありながら、人への接し方や仕事の進め方にもそのまま効いてきます。また、限られた材料をすりつぶし、煮て、混ぜて、工夫しながら一皿にしていく描写は、足りない状況でも焦らずに手を動かすと道がひらける、という実感を思い出させてくれます。さらに、昔の味を通して自分の暦をたぐり寄せる感覚は、忙しさで失われがちな「今ここにいる感じ」を静かに取り戻させてくれました。 何かを“整えたい”と思いながら、実際には慌ただしさに溶けてしまいがちな人に、じわっと効いてくる本だと思います。
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