
デラックスじゃない (双葉文庫)
マツコ・デラックス
この本について
人と比べて落ち込んだり、 SNS を眺めては「あの人は迷いがなさそうだな」と勝手に距離を感じたり。自分だけが取り残されてるような気持ちになること、けっこうありますよね。僕も仕事で判断を迷うたびに、「もっとちゃんとした大人なら迷わないのかな」と思ってしまうときがあります。 マツコ・デラックスの『デラックスじゃない』を読んで驚いたのは、あれだけ表に立つ人でも、同じように迷って、卑屈になって、時には嫉妬までしているという、ごく普通の揺らぎがそのまま書かれているところです。どんなに評価されようと揺らぐものは揺らぐ、という当たり前のことを、妙に誤魔化さずに言ってくれるんですよね。たとえば、他者との比較に振り回される息苦しさに対しては「そんなことで生きるのって楽しいの?」と刺すし、自虐に逃げたくなる気持ちには「ラクだけど、大事なものを失うよ」と現実的に返してくる。強く聞こえるけれど、上からじゃなくて、自分も同じ泥の中にいるという前提で語っているのが伝わってきます。 もうひとつ大きかったのは、マツコさんが自分のルールを持ちながらも、メディアの要求にも応えるという、折り合いの付け方です。全部を突っぱねるわけでも、全部に合わせるわけでもない、その現実的なバランス感覚が、仕事で迷ったときの拠りどころになるんですよね。あと、コンプレックスへの向き合い方もすごく率直で、「羨ましいわけじゃない。ただ自分の中で勝手に増幅してるだけ」という言い方は、自分の中にも思い当たるものがある人にはかなり刺さると思います。 肩肘張った自己肯定よりも、「迷いながらでも生きていいじゃん」と思いたい人にしっくりくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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