ヨムナビ
光秀の定理 (角川文庫)

光秀の定理 (角川文庫)

垣根 涼介

KADOKAWA / 角川書店 / 2013-08-30

累計読者数14
平均ハイライト数 14.3件/人
推定読了時間 約8時間11分
star総合評価 64/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 61%

この本について

仕事でも人間関係でも、「自分をどう押し出せばいいのか分からない」とか、「責任感が強いほど身動きが取りづらくなる」という悩み、けっこう共通なんじゃないかと思います。僕もそうで、義務感と賢さのどちらを優先すべきか、いつも揺れています。 『光秀の定理』は、まさにその揺らぎの中にいる人の視点を丁寧に拾ってくれる小説でした。光秀は能力に不足がないのに、自分を強く主張するのが苦手で、しかも一族の歴史や立場を背負い込みすぎてしまう。その真面目さが行動の源になる一方、視野を狭め、柔軟さを奪っていく。読みながら、「分かりすぎる…」という場面がいくつもありました。そして彼の周囲にいる人たちが、その不器用さを理解し、時に助け、時に突き放す関係が、この物語の温度を決めています。 特に刺さったのは、行動には情念が必要なのに、情念が強すぎると賢さを失うという葛藤や、得手とすることを通じてしか人は賢くなれないという指摘です。抽象論ではなく、光秀が人に接するときのぎこちなさ、心が折れていく瞬間、逆に芯が浮かび上がる場面まで具体的に描かれていて、自分の癖や限界をそのまま見せつけられる感覚がありました。 「責任感が強いのに、どこか生きづらさを抱えている人」には、特に深く刺さると思います。光秀の生き方を歴史としてではなく、一人の不器用な人の選択の積み重ねとして読むと、自分の立ち位置を少しだけ冷静に見直せる一冊です。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt

垣根 涼介の他の作品

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

永禄3(1560)年、京の街角で三人の男が出会った。食い詰めた兵法者・新九郎。辻博打を生業とする謎の坊主・愚息。そして十兵衛...名家の出ながら落魄し、その再起を図ろうとする明智光秀その人であった。この小さな出逢いが、その後の歴史の大きな流れを形作ってゆく。光秀はなぜ織田信長に破格の待遇で取り立てられ、瞬く間に軍団随一の武将となり得たのか。彼の青春と光芒を高らかなリズムで刻み、乱世の本質を鮮やかに焙り出す新感覚の歴史小説!!
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要