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みかづき (集英社文芸単行本)

みかづき (集英社文芸単行本)

森絵都

集英社 / 2018-11-25

累計読者数7
平均ハイライト数 7.4件/人
推定読了時間 約7時間30分
star総合評価 51/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 46%

この本について

仕事でも家庭でも、「自分の選んでいるものは正しいんだろうか」と立ち止まる瞬間ってありますよね。誰かを助けたいと思いながら、何が正解なのかはいつも霧の中。教育の話題になると特にそうで、制度や“正義”が揺れ動くたびに、自分まで流されそうになることがあります。 『みかづき』を読んで感じたのは、その揺らぎごと生きていく人たちの姿が、とても現実的に描かれていることでした。たとえば、老人の見守りを弁当に組みこむ場面は、教育とは関係なさそうでいて、人に関わることの本質を静かに突いてきます。知識は奪われない、と言い切る場面もあって、時代や制度が変わっても、人が自分の頭で考える力だけは残るんだと、少し呼吸が楽になりました。ゆとり教育の議論や塾の蜂起のくだりも、誰かが悪いではなく、誰もが迷いながら手探りで動いていたんだとわかる描かれ方で、当時の空気を知らなくても妙に身に覚えがあるんですよね。 読みながら何度も思ったのは、「満ちていないからこそ進める」という姿勢です。教育者たちが試行錯誤を重ねるのと同じように、私たち自身も欠けたままやっていくしかない。その“欠け”を責めないでいい、という感覚がこの物語にはあります。 人に関わる仕事をしていて、正解のない迷いを抱えがちな人には、静かに届く一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「私、学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思うんです」 昭和36年。人生を教えることに捧げた、塾教師たちの物語が始まる。胸を打つ確かな感動。著者渾身の大長編。小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げる。女手ひとつで娘を育てる千明と結婚し、家族になった吾郎。ベビーブームと経済成長を背景に、塾も順調に成長してゆくが、予期せぬ波瀾がふたりを襲い――。 阿川佐和子氏「唸る。目を閉じる。そういえば、あの時代の日本人は、本当に一途だった」 北上次郎氏「圧倒された。この小説にはすべてがある」(「青春と読書」2016年9月号より) 中江有里氏「月の光に浮かび上がる理想と現実。真の教育を巡る人間模様に魅せられた」 驚嘆&絶賛の声、続々! 昭和~平成の塾業界を舞台に、三世代にわたって奮闘を続ける家族の感動巨編。
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