
講師・インストラクターハンドブック 効果的な学びをつくる参加者主体の研修デザイン
中村文子 and ボブ・パイク
日本能率協会マネジメントセンター / 2017-03-10
この本について
研修を任されるたびに、「みんな退屈そうだし、そもそも何をどう伝えればいいんだろう」と手が止まることがあります。自分なりに工夫しているつもりでも、場が動かない。ロールプレイを入れても乗ってこない。そんなとき、問題は自分の話し方ではなく、そもそもの組み立て方にあるんじゃないか…と、この本を読んで気づきました。 著者が一貫して言っているのは、「参加者は大人で、経験を持っている」という当たり前の視点です。知識ゼロを前提に一方的に説明するのではなく、まず参加者の経験や既存の理解を使って動いてもらう。そのうえで、うまくいかなかった部分を講師が補う流れにすると、場が自然に参画型へ切り替わっていきます。さらに、集中力が切れる前に休憩を入れるとか、学んだスキルが習慣になるまで18日から数カ月かかる前提で企画段階から上司を巻き込むなど、「人間の脳と行動のしくみ」に沿って設計する視点がとても実用的でした。 読みながら、自分の研修が「知識を伝えて終わり」になっていたことにも気づかされます。大事なのは、職場に戻ってからどう動けるようになるか。そのために練習量を確保したり、成功体験を積ませたり、帰ってからの試行錯誤を想定して準備すること。ここまで踏み込むと、参加者の態度が目に見えて変わるという感覚がよくわかりました。 自分の研修がどうしても受け身の場になりがちだと感じている人、あるいは「講師の役割って結局なんなんだろう」と立ち止まっている人には、とても刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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