
灰と幻想のグリムガル level.11 あの時それぞれの道で夢を見た (オーバーラップ文庫)
十文字青、白井鋭利
この本について
仕事でも人間関係でも、頭では分かっているのに気持ちが追いつかない時ってあります。やれると言い聞かせながらも足が止まったり、いないはずの誰かを心のどこかで探してしまったり。合理的な判断をしようとしても、結局は自分の中の感情に振り回される。そんなズレにモヤモヤしている人は多いと思います。僕もそっち側です。 『灰と幻想のグリムガル11』を読んでいて、刺さる人はきっと同じところで引っかかるんじゃないかと思いました。たとえば、建物は焼けてもまた建てればいい、と頭では理解していても、それが本当に「正しいのか」判断できずに立ち止まる場面。合理と感情の綱引きみたいなあの感じ。あるいは、彼女がいる夢を見るなら、いない夢を見ることもあっていい、と自分に言い聞かせようとするハルヒロの思考の揺らぎ。忘れたいわけでも、割り切りたいわけでもなく、ただ前に進むために形を探している、そのリアルさが妙に胸に残ります。 そして、好き嫌いで判断を誤らないよう感情を抑えるタイプの人物に触れる場面もあって、「割り切れる人」と「割り切れない自分」の差に落ち込む読者には、少し違う見え方をくれるはずです。自分の弱さを否定しないまま戦っていく姿が描かれているので、無理に強がる必要もないんだな、と静かに背中を押してくれます。 日々の迷いを抱えたまま、それでも動こうとしている人にこそ刺さる巻だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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