
西郷隆盛 新装版 (角川文庫)
池波 正太郎
KADOKAWA / 2017-07-25
累計読者数6
平均ハイライト数 3.3件/人
推定読了時間 約3時間20分
star総合評価 43/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 45%
この本について
仕事でも人間関係でも、「この人についていきたい」と思える相手に出会えず、どこか宙ぶらりんのまま動いているような時があります。正しいと思っていた判断が、怒りや焦りが混じるとすぐ揺らいで、自分でも自分が信用できなくなる瞬間もあります。そんな迷いの最中で池波版の西郷を読むと、歴史の人物というより、“生身の先輩の仕事姿”をのぞき見しているような感覚がありました。 たとえば、西郷が斉彬に出会ったときの「この人のために働きぬこう」という熱が数日眠れないほどだった話は、自分がいま誰に心を預けて動いているのかを問われるような場面です。奄美で自分の扶持米をほぼ全て島民にまわしたエピソードも、きれいごとではなく、現場で何を優先するかの判断基準がにじんでいて、読みながら背筋が伸びました。さらに、会議にぎりめしを持参して、維新で死んだ人々への記憶を手放さない姿は、成果や待遇に引っぱられがちな今の働き方を一度立ち止まらせてくれます。 池波正太郎は西郷を神格化せず、野性味や未熟さまで書き込むので、こちらの迷いや弱さも否定されないまま読めるのが救いです。歴史の大きな決断も、結局は日々の姿勢の延長にあるんだなと、少し地に足がつく感覚がありました。 自分の基準が揺れがちな人、誰にも言えないまま迷いを抱えている人には、じんわり効く一冊だと思います。
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出版社による紹介
「本書によって西郷のみならず明治維新の革命の真相を理解できたと思う」(解説より)——作家・常盤新平氏 近代日本の夜明け、明治維新に燦として輝きを放つ西郷隆盛。「西郷は真の政治家でありながら、世に横行する政治家ではない。西郷は詩人の魂をもった理想家であり教育家であった。芸術家になっても、すばらしい業績をのこしていたろう。そしてさらに、西郷は軍人でもなかったのである」と著者が言い切った男の半世紀の足どりを克明に追った伝記小説。名匠が描いた維新史としても読みごたえ十分の力作。 ※本電子書籍は、昭和五十四年四月に刊行された『西郷隆盛』(角川文庫)を底本としました。
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