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脳科学は人格を変えられるか? (文春文庫)

脳科学は人格を変えられるか? (文春文庫)

エレーヌ・フォックス and 森内薫

累計読者数12
平均ハイライト数 24.3件/人
推定読了時間 約6時間31分
star総合評価 68/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 47%

この本について

最近、「自分の考え方ってどこまで変えられるんだろう」とか、「性格や不安の感じやすさって、生まれつきなんじゃないのかな」といった相談をよく受けます。正直、僕自身もずっと同じモヤモヤを抱えていて、行動を変えても根っこが動かない感じに悩んでいました。そんなときに読んだのが『脳科学は人格を変えられるか?』でした。派手な答えをくれる本ではないけれど、「あ、変わる余地って思っていたよりずっと大きいのかもしれない」と静かに思わせてくれた一冊です。 印象的だったのは、環境が脳や遺伝子の働き方そのものに影響するという話です。高脂肪食で育ったマウスの影響が世代を超えて残ったり、逆に豊かな環境が記憶障害をもつマウスの脳の働きを変えて、その変化さえ子に受け継がれたりする。人間でも、母親の抑うつが子どものストレス反応に影響していたり、セロトニン運搬遺伝子が環境の良し悪しに大きく左右される「可塑的な遺伝子」だったりと、どうしようもないと思っていた部分が意外と動いていく。 さらに救われたのは、認知バイアスや恐怖の回路は“性格”として固定されたものじゃなく、言語化や注意の向け方の練習で少しずつ変わるという点でした。画像をラベルづけするだけで前頭前野が働き、扁桃体の反応が弱まるという実験は、「ああ、自分の反応パターンにも手を入れる余地があるんだ」と素直に感じられます。 生まれつきか環境か、変われるのか変われないのか、その間で揺れ続けている人に静かに刺さる本だと思います。僕みたいに「どうせ自分はこういう人間だから」と思い込みがちな人に、ちょっとだけ違う視点をくれる一冊でした。

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