
「意識しない」力 うまくいくときは、結局みんな、自然体
小林弘幸
文響社 / 2017-12-08
この本について
仕事でも人間関係でも、「ちゃんとやらなきゃ」と思うほど空回りしたり、普段ならできることが急にできなくなったりしませんか。僕自身、誰かに見られているだけで手元がぎこちなくなるタイプで、意識すればするほど自分が狭くなっていく感覚があります。そんなときに、この本の「ぼんやりしているときに脳が動いている」という視点はけっこう救いになりました。頑張れない時間にもちゃんと意味があると言われたような気がしたんです。 読んでみて一番効いたのは、「意識しすぎるほどパフォーマンスが落ちる」という前提を受け入れられたことでした。生卵を割るときやプレゼン直前のように、気合いを入れた瞬間にミスする理由が説明されると、力を抜くことにも根拠があるんだと納得できます。それから、デフォルトモード・ネットワークが意識的な作業の15倍もエネルギーを使っている、という話も衝撃でした。ぼんやりしている時間は怠けではなく、むしろ脳が下準備をしてくれている時間なんだと思うと、立ち止まることに罪悪感が薄れます。 さらに、この本は「他人」や「周囲」に気持ちを乱されやすい人に向けて、三猿のように情報を遮断する選択肢まで用意してくれます。全部に反応しないでいいし、憎しみを受け取らないという態度も、自分を守るひとつの方法として自然に受け入れられました。自分の内側の声を拾うことが、強くなることに直結するというのも、無理のない実感として腑に落ちます。 「ちゃんとしようとするほど疲れてしまう人」に優しく効く本です。力を入れすぎている自覚があるときほど、試しに手を止めてみるきっかけになると思います。
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