
プロパガンダゲーム (双葉文庫)
根本聡一郎
講談社 / 2025-09-19
この本について
最近、ニュースやSNSを見ていて「自分は何を信じてるんだろう」と急に不安になることが増えました。意見が二分している話題ほど、どの情報が事実で、誰の都合で動いているのかが分からなくなる。そんなときに読んだのが『プロパガンダゲーム』でした。物語として面白いのはもちろんですが、読んでいる間ずっと、自分が日々触れている情報の裏側をひっそり見せられているような感覚がありました。 この本が効いたのは、まず「対立が起きるとき、一番大事な情報はどこに隠れているか」を丁寧に描いているところです。登場人物たちが戦略を考えるたび、こちらも自然と「自分ならどう判断するか」を考えてしまう。さらに、宣伝や広報の仕事が、きれいなクリエイティブの裏でどんな現実と向き合っているのかも描かれていて、広告を見る目が静かに変わります。「誰が勝つか」ではなく「誰が何を目的に情報を動かしているのか」に意識が向く感じです。 もうひとつ、正義が人によって簡単に形を変えるシーンが何度も出てきて、そこが個人的には一番刺さりました。自分が正しいと思って話していることも、状況が変われば別の誰かにとってはプロパガンダになる可能性がある。その曖昧さを認めたうえで、じゃあどう情報と距離を取るのか。読み終わったあと、SNSで何かを共有するときの姿勢が少しだけ落ち着いた気がします。 情報の空気に疲れている人、つい何かに肩入れしすぎてしまう人には、静かに効いてくる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
読書の順序
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