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ナイルパーチの女子会 (文春文庫)

ナイルパーチの女子会 (文春文庫)

柚木 麻子

文藝春秋 / 2018-02-09

累計読者数6
平均ハイライト数 29.5件/人
推定読了時間 約4時間43分
star総合評価 68/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 37%

この本について

仕事でも生活でも、人との距離の取り方がよく分からなくなる時があります。相手の気持ちを知りたいのに、踏み込みすぎていないか不安になったり、逆に、誰かの言葉に必要以上に揺らされたり。私自身、SNSを眺めているだけのつもりが、いつの間にか相手の生活を“読めてしまう”感じにゾワッとしたことがあります。 『ナイルパーチの女子会』を読むと、そのモヤモヤの正体が、少し輪郭を持って浮かび上がってきます。たとえば、日常の風景に余計な奥行きを見てしまう感覚。自分の行動が常に何かの成果につながってほしいと思い込んでしまう癖。そして、優しい言葉に浸っていたはずなのに、気づけば引き返すタイミングを見失うあのぬるま湯。どれも明確な“答え”をくれるわけではないのですが、登場人物たちの揺れを追いかけているうちに、自分の中の焦りや執着の温度が少し下がっていきます。 特に刺さったのは、他人との距離のズレに気づいた瞬間です。読み手としては「それぐらい良くない?」と思う行動が、相手から見たら全く違う意味を持つかもしれない。でも、それを“悪いこと”として断罪しきれないまま、登場人物たちは葛藤し続けます。その揺らぎが、自分のしんどさと地続きで、とてもリアルなんです。 他人に振り回されるのがつらいけれど、孤独にも耐えられない。そんな人には特にしみます。読むというより、誰かの心の動きを横で見守りながら、自分のペースに戻していけるような一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「心がえぐられすぎてつらい」 第二十八回山本周五郎賞&第三回高校生直木賞を受賞! 友情とは何かを描いた問題作。 商社で働く志村栄利子は愛読していた主婦ブロガーの丸尾翔子と出会い意気投合。 だが他人との距離感をうまくつかめない彼女をやがて翔子は拒否。 執着する栄利子は悩みを相談した同僚の男と寝たことが婚約者の派遣女子・高杉真織にばれ、とんでもない約束をさせられてしまう。 一方、翔子も実家に問題を抱え——。 「本作『ナイルパーチの女子会』は、柚木麻子さんがデビュー以来追い求めてきた主題の一つの到達点であり、その後の柚木さんが展開する文学への結節点でもある。」(重松清「解説」より)
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