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とりあえずお湯わかせ

とりあえずお湯わかせ

柚木 麻子

NHK出版 / 2022-10-19

累計読者数8
平均ハイライト数 9.9件/人
推定読了時間 約2時間53分
star総合評価 50/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 27%

この本について

最近、思っていたよりずっとしんどいはずなのに「まあ、これくらい」と流してしまうこと、多くないでしょうか。怒ったり、疲れたり、呆れたりしている自分を認めるのが下手で、でも黙っていると余計に気持ちがこじれていく。私自身も、家や仕事のことで落ち着かない時期ほど「ちゃんとしなきゃ」に縛られて、逆に何もできなくなることがあります。 『とりあえずお湯わかせ』は、そういう“自分のままではいられない感じ”を、一度ふっとほどいてくれる本でした。といっても、前向きになれとか、育児は尊いとか、そんな教えをくれる本ではありません。むしろ、怒ってしまう自分も、不器用な自分も、混乱してる自分も「それで普通」だと地に足のついた目線で描いてくれる。その結果、読んでいるこちらの力が少し戻ってくる感じがあります。 個人的に効いたのは三つあって、まず「怒りを恥じる必要はない」という視点。怒る自分を否定した瞬間にしんどさが倍増する、という描写が妙にリアルで、私も思い当たるところだらけでした。次に「完璧じゃなくても人とつながれる方法」。家を解放して持ち寄りで過ごす話なんて、すぐに真似できるわけじゃないけど、孤立しない工夫にはこんな軽さがあっていいんだと気づきます。そして「何もできない時はお湯を沸かせ」という小さすぎる一歩。これが本当に効く。停滞しているときほど、このくらいでいいんですよね。 完璧に整っていない日々をなんとか回している人、特に「疲れてるのに弱音が出てこないタイプ」に静かに刺さる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

このエッセイもまた、公開の日記帳だ。前向きで後ろ向きで、頑張り屋で怠け者で、かしこく浅はか、独特な人物の日々の記録だ(前書きより)――はじめての育児に奮闘し、新しい食べ物に出会い、友人を招いたり、出かけたり――。そんな日々はコロナによって一転、自粛生活に。閉じこもる中で徐々に気が付く、世の中の理不尽や分断。それぞれの立場でNOを言っていくことの大切さ、声を上げることで確実に変わっていく、世の中の空気。食と料理を通して、2018年から2022年の4年間を記録した、人気作家・柚木麻子のエッセイ集。各章終わりには書下ろしエッセイも収載。 1.うちにおいでよ 2018年1月~12月 2.うちの味、外の味 2019年1月~12月 3.そしてコロナがやってきた 2020年1月~12月 4.もう、黙らない 2021年4月~2022年3月
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