
悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える (NHK出版新書)
仲正 昌樹
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推定読了時間 約4時間25分
star総合評価 71/100
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この本について
日々ニュースを見ていて、なんとなく「社会の空気に流される自分」が怖くなることがあります。強い言葉に引っ張られたり、異なる意見に向き合うのがしんどくなったり。頭では距離を取りたいのに、感情はいつも先に動いてしまう。そんなモヤモヤを抱えたまま過ごしていました。 この本は、アーレントという人の人生と思想をたどりながら、「全体主義は特別な時代にだけ起こるものではない」という視点をくれます。彼女自身が逮捕され、亡命し、友人から絶縁されてもなお目をそらさなかった理由を知ると、自分が何に鈍感になっているのかが、少し言葉になるんです。ユダヤ人迫害が偶然ではなく、国家の仕組みや人々の不安と結びついていたこと。異なる意見と向き合わなくなると、人は誰でも単純化された世界に寄っていくこと。その流れが、今の私たちの身近な場面にも重なって見えてきます。 具体的に効いたのは、まず「他者の視点を持つこと」が政治以前の問題として描かれていた点。これは日常の会話でもすぐ試せるし、自分の反応のクセにも気づきました。そして、法や理性の限界が語られる章では、「正しい仕組み」だけでは人を守れない現実がストンと理解でき、物事を見るときの基準が変わりました。 社会の空気に飲まれやすいと感じる人ほど、アーレントの歩んだ時間に助けられると思います。
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出版社による紹介
世界を席巻する排外主義的思潮や強権的政治手法といかに向き合うべきか?ナチスによるユダヤ人大量虐殺の問題に取り組んだハンナ・アーレントの著作がヒントになる。トランプ政権下でベストセラーになった『全体主義の起源』、アーレント批判を巻き起こした問題の書『エルサレムのアイヒマン』を読み、疑似宗教的世界観に呑み込まれない思考法を解き明かす。
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