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陰翳礼讃 (角川ソフィア文庫)

陰翳礼讃 (角川ソフィア文庫)

谷崎 潤一郎

三和書籍

累計読者数12
平均ハイライト数 10.3件/人
推定読了時間 約8時間24分
star総合評価 49/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 23%

この本について

日々、部屋を整えてもどこか落ち着かないとか、便利さを追うほど生活の手触りが薄くなる気がするときがあります。明るくて機能的なはずなのに、気持ちの置き場だけがどこか宙づりになるあの感じです。僕も仕事道具をアップデートするたびに、効率と引き換えに何かを置いてきている気がして、ずっと説明のつかないモヤモヤを抱えていました。 『陰翳礼讃』を読んで救われたのは、「なくしてしまったもの」の正体が、実は光そのものではなく、光と影のあいだにある“余白”だったと気づけたことです。例えば、漆椀の縁がほんのり汗ばむ一瞬の描写や、金蒔絵が暗がりの中でかすかに光るさまは、便利さとは無関係のところで人が安心を感じる理由を思い出させてくれます。また、明るさを求めるあまり四隅の蔭まで消してしまう現代の照明への違和感を示してくれるおかげで、どうして仕事場に落ち着かなかったのか、自分の中で言語化できるようになりました。 これは、西洋か東洋かといった文化論だけの話ではなく、日々の生活で「なんかしっくりこない」感覚を抱えている人が、自分の感受性の立ち位置を見直すための本です。便利さの中で疲れやすい人や、静けさに救われる瞬間がある人にはとても刺さると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

谷崎 潤一郎 著 A5判 416ページ 価格3,500円+税 ISBN978-4-86251-553-7 シリーズ第3巻、表題作の「陰翳礼讃」は、まだ電灯がない時代の西洋の文化と日本の文化の陰翳に対する考え方の違いを建築、照明、紙、食器、能や歌舞伎の衣装の色彩など、多岐に渡り考察している。 「吉野葛」は、大和の吉野を舞台に歴史小説を書くために旧友を訪ねる。吉野に伝わる風物や伝説などが感じられる作品。「蘆刈」と共に、谷崎中期の傑作を収載。 目次 陰翳礼讃 吉野葛 蘆刈 著者プロフィール 谷崎 潤一郎(タニザキ ジュンイチロウ) 1886年(明治19年)~1965年(昭和40年)。東京・日本橋生まれ。明治末期から昭和中期まで、戦中・戦後の一時期を除き執筆活動を続け、国内外でその作品の芸術性が高い評価を得た。主な作品に「刺青」「痴人の愛」「春琴抄」「細雪」など、傑作を多く残している。
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