
シンドローム(上)
真山仁
PHP研究所 / 2009-06-01
この本について
仕事で判断を迫られたとき、周りの声や組織の事情に振り回されて、自分の軸がどこにあるのか分からなくなることがあります。正義とか理念とか言葉にすると立派だけど、実際の現場では「理屈も道理も通じない人」や「感情で動く上司」や「裏側で動く力学」にさらされて、きれいごとでは片付かない。そんなとき、自分は何を根拠に決めればいいのか…と迷う瞬間があると思います。 『シンドローム(上)』を読んでいると、まさにその“現実の重たさ”と対峙する登場人物たちが目に入ってきます。原子力行政や投資ファンド、政治家、技術者。肩書きは立派でも、迷って怒って焦って、時に意地を張りながら、それでも自分のルールを貫こうとする姿が描かれています。読者が保存した抜粋には、「慢心は後悔と失敗しか生まない」「私は誰の統制も命令も受けません」「必要なものを必要なだけ」など、外圧の中でも一点だけは譲らない人物の“芯”が強く残っていて、そこに救われた人が多いのだと思います。 この物語が効くのは、派手な逆転劇ではなく、判断に迷ったときの“現実的な視界”を少しだけ戻してくれるところです。例えば、感情的な上司や理不尽な組織をどう扱うか、情報の不確実性の中でどう腹を括るか、チームの警戒心や不安をどう受け取るか。そんな具体的な揺らぎの描写が、自分の仕事の場面にそのまま重なってきます。 組織と個人の狭間でも、自分の意思を手放したくない人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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