
生理用品の社会史 (角川ソフィア文庫)
田中 ひかる
KADOKAWA / 2019-02-23
この本について
生理の話題って、日常では「当たり前だから」と流されがちなのに、いざ向き合おうとすると妙な違和感やモヤモヤが残ることが多い気がします。自分でも理由がはっきりしないまま、どこかで植え付けられた価値観に振り回されていたんだな、と感じる瞬間があるんですよね。 『生理用品の社会史』を読むと、その正体が少しずつ輪郭を持って見えてきます。たとえば「経血が不潔とされてきた歴史」と「月経そのものを不浄視する考え」が混同されてきたことや、タブー視の語源にまで月経が関わっていること。自分が抱えてきた空気の正体が、長い文化や制度の積み重ねの結果だったんだと気づくと、不必要に自分を責めなくてよくなる感覚があります。また、生理用品が進化することで女性の働き方まで変わってきたという視点も、普段の生活では気づきにくいポイントで、生活の一部だったものが社会の構造とつながって見えるようになります。 さらに、なぜ日本では生理用品の進化が遅れたのか、なぜタンポン普及率が低いのかといった素朴な疑問にも、日本独特の背景を踏まえて説明してくれるので、単なる知識ではなく「自分の生活の文脈」として理解できるところが魅力です。身近なテーマなのに、知らないままにしていた前提がこんなに多かったのかと驚くはずです。 「ずっと当たり前だと思ってきたことに、そろそろ理由を知りたい人」に静かに響く一冊だと思います。
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