
監視文化の誕生 社会に監視される時代から、ひとびとが進んで監視する時代へ
デイヴィッド・ライアン and 田畑 暁生
この本について
SNSを使っていると、自分が「見られている側」なのか「見ている側」なのか、よく分からなくなる瞬間があります。楽しいはずの投稿なのに、ふと息苦しさを感じたり、逆に他人の動きを追ってしまう自分に驚いたり。こういうモヤモヤは、単なる気分の問題じゃなくて、もっと大きい流れの中で起きているのかもしれません。 『監視文化の誕生』を読んで気づいたのは、監視って国家や企業にやられるもの、という昔のイメージだけでは説明できない、いまの私たちの感覚そのものに入り込んでいるということでした。自分から進んで情報を出すことも、他人の投稿を追いかけることも、全部「監視文化」の一部としてつながっている。そこを言語化してもらえるだけで、あの得体の知れないしんどさの正体が少し見えてきます。 特に刺さったのは、監視が「楽しい」ものにもなり得るという指摘です。ショーのように見られたい気持ちと、プライバシーを守りたい気持ちが同時に存在してしまう矛盾。それが個人の弱さではなく、テクノロジーと文化の構造から生まれているという視点は、日常の行動をかなり落ち着いて見直すきっかけになります。また、利用者自身が監視を作り出しているという話は、SNSの窓の向こうで起きていることを「自分が参加している現象」として捉え直す助けになります。 SNSとの距離感に迷っている人や、自分の発信に疲れやすい人には特に刺さる本です。自分を責める前に、まずはこういう大きな流れを知っておくと、ちょっと呼吸しやすくなると思います。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの54%が集中しています。
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