
監督の財産 (SYNCHRONOUS BOOKS)
栗山英樹
日本ビジネスプレス / 2024-09-09
この本について
仕事でも人間関係でも、うまくいかない時って「自分はちゃんとやれているのか」と不安になりますよね。相手への声の掛け方ひとつ取っても、踏み込みすぎても良くないし、放っておくのも違う。でも現場に立っていると、その“ちょうどいい距離”が本当にわからなくなる瞬間があると思います。 『監督の財産』は、栗山監督がまさにその迷いの中で掴んだ感覚が、具体的な場面と一緒に語られている一冊です。たとえば「批評家になるな。いつも批判される側にいろ」という言葉は、立場が上になるほど忘れがちな視点を思い出させてくれますし、「言わないけれど見ている」ことを伝える難しさは、部下や後輩との関わりにそのまま重ねられます。また、何をやってもダメな時期への向き合い方や、「新しい発想は疑うところから始まる」という姿勢は、成果が出ない日々に押しつぶされそうな時の支えになります。 この本がいいのは、きれいごとではなく、現場で迷ったりすり減ったりしながら見えてきた“現実的な線”だけが書かれているところです。監督という特別な立場の話なのに、読んでいるこちら側の生活に不思議と接続してくるんですよね。言葉を変えると、「誰かを導く役割を預かった人」が感じる葛藤そのものが詰まっています。 なので、部下指導やチーム運営に悩んでいる人、あるいは自分の関わり方に自信が持てなくなっている人には特に刺さると思います。読んだから劇的に変わる、というタイプの本ではないですが、日々の立ち振る舞いが少しだけ変わる。その“少し”を積み重ねたい時にちょうどいい一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの64%が集中しています。
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