
限界のタワーマンション (集英社新書)
榊淳司
集英社 / 2019-06-22
この本について
タワマンって便利そうに見える一方で、「本当にこの構造って大丈夫なんだろうか…」みたいな、小さくて言語化しにくい不安を抱えている人は多いと思います。地震のときの揺れ方とか、修繕のリアリティとか、理事会まわりの意思決定とか、普段は気にしないけれど一度気になり出すと止まらないあの感じです。僕も似たようなモヤモヤを持ったまま数年経っていました。 この本は、タワマンに反対するための本というより、「仕組みとしてどこにほころびがあるのか」を淡々と示してくれるところが良かったです。長周期地震動を前提としていない建築基準の話や、高層ほど揺れが大きくなる構造的な弱点、さらに外壁修繕が新築時より時間がかかる理由まで、生活者の立場では把握しづらいポイントに具体的な数字が並びます。理事長の悪意を想定していない区分所有法や、特別決議のハードルの高さなど、管理面の“詰まりやすい部分”も実際の運用目線で書かれていて、読んだ後は物件を見る視点が一段階変わりました。 読みながら感じたのは、「便利・資産価値・眺望」といったメリットだけで判断していた自分に、もう少し“建物の寿命と地域のキャパ”という視点が必要だったなということです。例えば避難所の収容人数や、エレベーター故障時の復旧リスク、子どもの外遊び時間の減少まで、生活の細部に関わる問題が積み上がると、暮らしの評価軸そのものが変わってきます。 都市生活に馴染みつつも、「このまま買っていいのかを一度整理したい」という人にとって、かなり現実的に役立つ本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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